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加齢黄斑変性症の治療に新しい選択肢
 視野の中心部が見えにくくなる加齢黄斑変性症は、レーザー治療と光線力学療法が主流だが、海外では目の硝子体に注射するだけで症状の進行を食い止める薬剤も使われ、新しい選択肢になっている。

 加齢黄斑変性症は、物を見るのに最も重要な網膜の黄斑部が障害されて起こる。高齢者ほど発症率が高く、日本でも急増している。網膜の視細胞の新陳代謝が鈍くなって、老廃物が視細胞の下に蓄積。その結果、蓄積部分に炎症が起こり網膜外側の脈絡膜の毛細血管から新生血管という異常な血管が網膜に伸びる。新生血管は、もろく弱いため出血やむくみを起こし、この出血やむくみが網膜や視細胞が傷つけられて見え方に異常が出る。

 治療は、新生血管の出てくる位置で分かれる。新生血管が黄斑部の中心咼(か)以外にある場合、レーザー治療が選択肢になる。点眼麻酔後に特殊なコンタクトレンズを装着し、レーザー照射で新生血管を焼き切る。治療は1時間弱。新生血管が中心咼にある場合、光線力学療法(PDT)で治療する。まず新生血管だけに集まり、特定の波長の光に反応するベルテポルフィンという薬を静脈から点滴注射。ベルテポルフィンが集まった部位をレーザー照射すると、ベルテポルフィンが光化学反応を起こし、新生血管が生害されて血管が閉塞(へいそく)する。新生血管は1回の照射で完全に閉塞させられることは稀(まれ)で、3カ月おきに定期検査をして治療を何度か繰り返す。

 これに対し、硝子体に注射する薬剤はマクジェンといい、レーザー治療や光線力学療法に比べると、患者の負担が軽いのが特徴。脈絡膜新生血管の血管内皮増殖因子と選択的に結合することで血管の成長と漏出を低下させて視力低下の進行を防ぐ。注射量は1回当たり0・3mg。6週間に1回注射する。

 海外の市販後調査では、硝子体に注射した後、数時間以内に血管性浮腫を含むアナフィラキシーなどが稀に観察されているという。また眼内炎や網膜出血なども報告されている。発売元の米ファイザー社は「注射後2週間は患者の眼内炎を注意深くモニターすべきだ」としている。またマクジェンを2年以上使い続けた場合の安全性と有効性は証明されていない。(南里秀之)

 (くまにちコム「健康・医療」2006年9月21日付)

 
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