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インスリンアナログ製剤「ノボラピッド」 妊婦への適応を取得
 欧州委員会は、超速効型インスリンアナログ製剤「ノボラピッド」(一般名インスリンアスパルト)の妊婦への使用を承認した。この結果、「ノボラピッド」は妊婦への適応を取得した世界初のアナログ製剤となった。

超速効型インスリンアナログ製剤「ノボラピッド注300 フレックスペン」
 糖尿病合併妊娠は、血糖コントロールが悪いと、母体と胎児の合併症が増加するため、血糖コントロールの強化が不可欠。妊娠中は厳格なコントロールのため強化インスリン療法が必要となるが、母体の重篤な低血糖リスクが高くなることもある。しかし、インスリンアナログ製剤を妊婦に適用するための確かな研究結果が不足、特にヨーロッパの周産期医学会からも大規模臨床試験が強く期待されていた。

 このため、ノボラピッドを製造するノボ・ノルディスク(本社デンマーク)が、妊婦を対象とした無作為割付群間比較試験を実施。インスリンアナログ製剤の試験としては最大規模で、1型糖尿病合併妊婦322人(19〜43歳、妊娠前から妊娠10週まで)を対象に、ヨーロッパ18カ国の63施設で4年間以上にわたった。対象者の妊娠確認時のヘモグロビンA1cは8%以下(基準値は4・3〜5・8%)。食事前の追加インスリンとして、ノボラピッドを157人、速効型ヒトインスリンを165人に投与した。

 その結果、ノボラピッド投与群は、ヒトインスリン投与群に比べ、重症な低血糖が夜間で52%、日中で15%、24時間では28%低下した。また、ノボラピッド投与群は、妊娠初期と後期の食後血糖値が有意に改善された。

 また、ノボラピッド投与群は、ヒトインスリン投与群に比べ、(1)早産の減少、(2)治療が必要とされる新生児低血糖の危険性が減少、(3)胎児への危険性はヒトインスリンと同等−などの傾向が得られた。

 ノボラピッドは、国内ではノボ・ノルディスク・ファーマ(本社・東京都千代田区)が発売。食事直前の投与が可能、食後血糖値の上昇を改善する、夜間重症低血糖の発現を低下させるなどの特徴がある。今回の試験で、同社は「特に夜間は無自覚性の低血糖に陥りやすいため、ノボラピッドが夜間の重症な低血糖のリスクを大幅に低下させたのは、母体と胎児にとって重要なポイント」としている。

 東日本循環器病院・糖尿病センター長の大森安恵・東京女子医大名誉教授は「ノボラピッドの安全性が浮き彫りにされた。さらに安心して使用されることが期待され、糖尿病妊婦の治療に貢献するものと信じている」とコメントしている。(高本文明)

 (くまにちコム「健康・医療」2006年12月6日付)

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