3大生活習慣病やこころ、こどもの病気など、最新治療法や先端医療の現状をお伝えします。
ホーム
>
読むクスリ
>
がん一覧
>
・
肥後医育塾
・
笑顔ヘルCキャンペーン
・
メディカルネット
・
デリすぱホームドクターガイド
気持ち和らげる配慮も
静岡がんセンター
静岡県立静岡がんセンターでは、患者や家族の疑問や悩みに答えたり、苦情を受け付けるシステムづくりも重視。治療を続ける入院患者の気持ちを和らげる配慮も院内外に施している。
患者や家族の悩み、苦情、提案などを受け付ける「よろず相談室」=静岡県立静岡がんセンター
センター2階の正面玄関を入ると、すぐ右側に「よろず相談」受付がある。5つの相談室があり、患者らのプライバシーに配慮し、相談内容に合わせてドア付き、ドアなしの部屋を使い分けている。
相談員は看護師2人、MSW(医療ソーシャルワーカー)3人が常駐。受診の有無にかかわらず、訪れた同県内のがん患者や家族を対象に面談や電話で対応する。自分の電子カルテの内容も閲覧でき、必要に応じて医師ら専門職を紹介し、説明を受けてもらう。主治医以外の医師から意見を聞くセカンドオピニオンを得るための診察室もある。相談は月600件を超えるという。
患者の意見を集める手段は、患者自身や職員からの報告、患者の声を聞く協力スタッフ、電子メール、投書箱など。丸茂江以子総長補佐官は「一般的に患者の苦情は医事課などが受け付けるが、多忙なことも多い。患者や家族の思いをきちんと受け止め、“患者から学ぶ”ための情報収集ルートになる」と意義を語る。
集まった苦情は原則としてその日のうちに、改善・処理するよう努めている。組織上、病院から独立した経営戦略会議が最終的な対応を判断するという。
患者や家族から寄せられた疑問などをもとに2004年3月、「がんよろず相談Q&A集」を発行した。医療費や休職・退職した際の手続きなどの疑問点を分かりやすく解説。月2回のペースで、一般向けの医療学習会を開くほか、県内各地で出張相談も行っている。
院内のボランティアは約100人。場所の案内や患者の話し相手、環境美化など活動は幅広い。
患者や家族が病気について調べたい時に利用できるのが「あすなろ図書館」。医学書や闘病記、一般書籍、患者会などの資料を備え、常駐の図書館司書、看護師が調べ方をアドバイス。インターネットも利用できる。月約4400人が入館しているという。
静岡がんセンターでは、自然を生かした散策コースを整備するなど、患者が安らげる環境づくりに配慮したという
患者のための環境整備も。敷地は12ヘクタールあり、病院本棟は地上11階地下1階。陽子線施設、緩和ケア病棟などを合わせ延べ床面積は計7万6000平方メートル。富士山と駿河湾を見渡せる眺めのいい位置に建てられた。ガラス張りの開放的なラウンジや展望浴場もあり、院外には散策コースも。あずま屋やバラ園、イングリッシュガーデン、小川やハート形の「心の池」なども整備している。
別棟の緩和ケア病棟の病室は、竹を材料にした床暖房など、温かみを感じさせる。ベッドごと病室から庭に出ることができる。
「自然や外溝、院内を飾る絵画など、副院長を務める女性看護師が患者の居住空間にアイデアを凝らした。五感に訴える癒やしの療養施設が狙い。緑に囲まれた自然の中で、ゆったりとくつろいでもらえれば」と丸茂補佐官。
ある患者は「まるで高級ホテルかリゾート地。患者はがんを患っている人ばかりなので、同じ病気の仲間という意識もあり、気兼ねなくくつろげる」と話す。
山口建センター総長の提唱で、予防医療に温泉を活用する「かかりつけ湯」構想も進められている。患者の社会復帰を温泉で支援しようという発想から生まれた。伊豆半島の文化や自然、温泉、食材などを活用し、癒やしと健康増進につながる環境を提供していく。モデル施設となる宿泊施設の募集も行われている。(高本文明)
(熊本日日新聞2005年2月22日付朝刊)
(←←「『患者第一』掲げて がんを上手に治す」へ)
無断転載は禁じます。
掲載の記事、写真等の著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun
(c) 熊本日日新聞社 〒860-8506 熊本市世安町172