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HTLV―1感染者とATL患者、全国調査に着手 厚労省
 厚労省は二日、患者の死亡数が増えているATL(成人T細胞性白血病)と、その原因ウイルス・HTLV―1感染者数や全国的な分布状況などの調査に入ったことを明らかにした。

 ATLは血液がんの一種。一九七六年、熊本大の高月清教授(当時)らが初めて突き止めた。九州・沖縄に患者が多く、厚労省研究班の九〇年の報告書では『九州・沖縄の風土病』とされた。以来、全国規模での調査や研究は停滞している。

 ATL患者の五年生存率は20%未満で、年間七百人程度が亡くなっていた。ここ数年、死亡者が千人近くに増えたが、大半の都道府県はHTLV―1感染者の検査体制も整えてない。感染者数も、厚労省研究班が八四年に全国の日赤血液センターのデータを基に百二十万人と推定した数字を使っている。

 このため厚労省は、国立感染症研究所の山口一成血液・安全性研究部長を班長にした研究班を設置。一〇年度までの三年間、HTLV―1感染者数や全国的な分布状況、ATL患者数などを調べることにした。

 厚労省研究班は当面、全国の日赤血液センターのデータからHTLV―1感染者数を再度推定するなど現状を分析。〇九年度以降、血液内科の専門医が従事する全国の医療機関を通じてATL患者数などを調査。一〇年度に報告書としてまとめる。経費は三年分で約四千二百万円。

 山口部長は「調査でHTLV―1感染者が全国各地に存在し、『九州・沖縄の風土病』でないことが分かれば、全国的なATLの予防対策も進む」と話している。HTLV―1感染者の一部は、同ウイルスに起因するHAMと呼ばれる難病になる。(南里秀之)

(熊本日日新聞2008年7月3日付朝刊)

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