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| 厚労省、抗がん剤「タルセバ」を非小細胞肺がん治療薬として承認 |
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厚生労働省は、中外製薬(東京都中央区)の抗がん剤「タルセバ錠」(一般名エルロチニブ塩酸塩)を、切除不能の再発・進行性で化学療法後に増悪した非小細胞肺がんの治療薬として製造販売を承認した。
ただ似たような機序の抗がん剤「イレッサ錠」(一般名ゲフィチニブ)が発売直後から服用者の副作用による死亡が相次いだ反省から、条件付きの承認とした。
タルセバの承認は、別の化学療法が無効だった非小細胞肺がん患者を対象にした海外の大規模な第V相臨床試験で、偽薬との比較でタルセバ投与群が偽薬投与群に比べ全生存期間の統計学的な有意差が認められたことによる。上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤と呼ばれ、がん細胞だけを狙い撃つ分子標的剤では世界初の成績という。
しかし一方で、イレッサ同様に重大な副作用として間質性肺疾患などが報告されている。このため厚労省は(1)製造販売後、一定数の症例にかかわるデータが集積されるまでは全症例を対象に使用成績調査を実施する(2)安全性、有効性に関するデータを早期に収集し、適正使用に必要な措置を講じる(3)投与は、肺がんの診断、化学療法に精通し、リスクも十分管理できる医師、医療機関、管理薬剤師のいる薬局に限る、という3つの条件を付けて承認した。
中外製薬は、全例調査は3、000例の集積を目標として、調査期間30カ月間を予定。3、000例のデータを収集した段階で結果を評価し、新しい製造販売後調査の実施や、安全対策の必要性などを検討する。調査の解析結果は、厚労省への報告のみにととめず、学会や学術集会などでも公表する。
処方では、医師が有効性、安全性、非小細胞肺がんの治療法などを十分説明し、患者の同意を得た後、治療を開始するよう依頼する。外来患者に処方する場合は、処方するたびに医療機関の緊急連絡先を記載した「タルセバ錠治療確認シート」を交付し、調剤薬局は医師の処方せんと確認シートを持参した患者のみに調剤する仕組みにする。
EGFRとも呼ばれるHER1(ヒト上皮増殖因子受容体T型)は、シグナル伝達径路の主要なタンパク。多くのがんの形成や増殖で大きな役割を担っている。タルセバは、腫瘍(しゅよう)細胞の内のHER1シグナル伝達径路のチロシンキナーゼの働きを妨げて、腫瘍細胞の増殖を抑える。8月末現在、世界の80以上の国・地域で承認されている。
肺がんは難治がんの一つ。国内では05年で新規肺がん患者が約8万5、000人と推計された。(南里秀之)
(くまにちコム「健康・医療」2007年10月23日付)
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