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乳がん検診で早期発見を 超音波の有効性検証へ
発症初期で皮膚表面
  女性で最も多いがんは乳がんで毎年約四万人が発症し、二〇〇六年には一万一千二百六十二人が死亡した。早期発見できれば治療成績はよいが、検診の受診率は欧米よりかなり低い。横浜市で開かれた日本乳がん学会で、乳がん検診の課題が話し合われた。

 自治体が実施する乳がん検診は、三十歳以上を対象に医師がしこりの有無を診断する視触診が一九八七年度から行われてきた。

 二〇〇〇年度からは五十歳以上に乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)が導入され、〇四年度から対象年齢を四十歳以上とし、マンモグラフィー検診を原則として視触診と併用することになった。

●浮かぶ課題

 乳がん学会では現在の検診の問題点として(1)若年者(三十〜四十代)の有効な検診方法(2)受診率の向上(3)検診の精度向上などが議論された。

 ちば県民保健予防財団総合健診センターの橋本秀行・乳腺甲状腺科部長は「千葉県は三十代も検診の対象として超音波単独で、四十代はマンモグラフィーと超音波の併用で早期発見を目指している」と報告した。

●若年の見落とし

 マンモグラフィー画像ではがん組織が白く写り、小さながんも発見しやすいのが特徴。ところが乳房にある乳腺もやはり白く写り、三十代や四十代では乳腺の密度が高いため、がんの部分が見落とされることがある。このため、若年者では超音波の検査が有効とされている。

 橋本部長は「超音波での発見率を高めるには、検査機器の操作と画像からがんを見つける『読影』のトレーニングで精度を高めることが不可欠だ」とした。

 大内憲明東北大教授は「検診でマンモグラフィーに超音波を加えるのはコストがかかる。国の指針として超音波の検査も導入するためには、併用でがんの発見率が向上すること、長期的な死亡率が下がることを科学的に検証する必要がある」と指摘。〇七年度から本格的に始まる乳がん超音波検診の戦略研究について報告した。

●世界に貢献

 全国の検診施設で四十代女性を対象に、マンモグラフィーと超音波の併用検診、マンモグラフィー単独を各六万人ずつに実施。各グループで二年ごとの隔年受診と四年に一回の受診に分け、検診方法と受診間隔の違いでがんの発見率に差が出るかを比較する。

 さらに、受診者を長期追跡し、長期的に乳がんによる死亡率に差が出るかも調べる計画だ。

 大内教授は「超音波検診の有効性についての大規模な臨床試験は例がなく、日本が世界に貢献できる研究になる」と話した。

 森本忠興徳島大名誉教授は「米国や英国では検診受診率が70%を超えて、乳がんによる死亡率が目に見えて低下した。日本ではまだ10%台で視触診だけの自治体もある」と分析。「受診率をまずは50%以上に高めるため、自治体や医療関係者の努力が求められている」と訴えた。

発症初期で皮膚表面


(熊本日日新聞2007年8月25日朝刊)

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