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若年性認知症実態把握へ 熊本大研究グループ
 実態が不明で、患者を受け入れる福祉施設も不足している若年性認知症について、熊本大大学院医学薬学研究部の池田学教授(神経精神科)の研究グループは、一月初旬から県内全域の医療、福祉施設など約三千施設を対象に調査を始める。

 同意が得られた全患者・家族に対し、診察や面接も行う予定で、専門医による確定診断まで踏み込んだ調査は全国初。調査結果は、治療上の課題をはじめ、福祉や公的支援の在り方を探る基礎資料として、国の施策への活用が期待される。

 調査は一次〜三次の三段階で、二次調査までは厚生労働省が約十年ぶりに実施する全国調査の一環。全県で二次調査まで行うのは熊本のほか、茨城、群馬、愛媛の四県。三次は熊本大の独自調査となる。

 一、二次は全国一律のアンケート。認知症の診断基準を満たす患者の有無を尋ね、該当者がいる施設にはさらに認知症の原因、介護サービスの利用状況などを尋ねる。

 三次では、患者と家族を池田教授ら同研究グループの専門医が訪問し、問診や認知機能の検査でアルツハイマー病やピック病などの原因疾患を特定、認知症の程度も評価する。家族にも発症年齢や発病から診断に至るまでの期間、精神症状や異常行動の有無、希望する支援内容などについて聞き取り調査する。結果を基に、県内の若年性認知症の患者数を推計。原因疾患、認知症の程度、介護・公的支援の状況なども分析する。

 若年性認知症については、一九九六年、厚労省がアンケートのみの調査で、全国の患者数を二万七千〜三万五千人と推定したが、実際は、うつ病など精神科疾患と誤診された例もあるとみられる。原因疾患の内訳も異なるとされており、早期発見、早期治療が困難な状況となっている。

 池田教授は「独自に行う本人や家族の診察・面接を通して、より正確な実態が把握できる。調査と同時に、県内の患者・家族を支援するネットワークづくりも進めたい」と話している。(田端美華)

(くまにちコム「健康・医療」2008年1月3日付朝刊)
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