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アルツハイマー病原因物質 脳炎症による蓄積解明、熊本大水島教授
 熊本大薬学部付属創薬研究センター(熊本市大江本町)のセンター長、水島徹教授(39)は十日、脳の炎症によってアルツハイマー病の原因物質βアミロイドが脳内部に蓄積するメカニズムを解明したと発表した。病気の進行を遅らせる新薬の開発につながる成果という。

 水島教授は「これまでの薬は病気の症状を抑える対症療法的なものばかりで、原因に直接踏み込んだものはなかった。なるべく早く臨床試験を始めたい」と話している。

 アルツハイマー病は老化や遺伝子変異のほか、外傷など脳の炎症によっても、脳細胞の働きを阻害するタンパク質βアミロイドが蓄積することで発症することが分かっているが、炎症とβアミロイドの蓄積に、どんな関係があるのかは分かっていなかった。

 水島教授は、体に痛みや炎症を起こす化学物質、プロスタグランジンE2(PGE2)に着目。試験管実験によって、PGE2濃度が高いほどβアミロイドが盛んに作られることを確認。また、遺伝子操作でPGE2の影響を受けないようにされたマウスの脳では、普通のマウスよりもβアミロイドが蓄積しにくいことも分かった。

 PGE2は、一方で胃の粘膜の保護や生体防御、傷の修復などにも役だっている。水島教授は「PGE2の働きを抑えると胃かいようなどの副作用も予想される。脳細胞だけに作用する工夫をする必要もある」と話している。(梅野智博)

●ユニークな研究

 鈴木利治・北海道大大学院薬学研究院教授の話 脳の炎症がアルツハイマー病に影響を与えることは統計的に指摘されていたが、詳しいメカニズムは分かっていなかった。βアミロイドそのものではなく、その生成促進に着目したユニークな研究で、今後、新薬の開発につながることを期待している。

(熊本日日新聞2007年9月11日付朝刊)
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