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アルツハイマー病 物忘れからゆっくり進行
 認知症の原因として知られるアルツハイマー病。通常、「物忘れ」から始まるが、実際は発症する二十年ほど前から、脳に異常なタンパクが沈着し始めているという。

 アルツハイマー病は、物忘れから始まり、次第に認知障害が進行する。ただ、物忘れには二通りある。一つは、高齢化による物忘れ。久しぶりに会った知人の名前を思い出せない“ど忘れ”。そう心配する必要はないとされるが、年齢に比して度忘れがあまりひどいと軽度認知障害とされる。その一部の人は将来、アルツハイマー病に進む。

 一方、アルツハイマー病による物忘れは、久しぶりに知人に会ったこと自体を忘れてしまう。ゆっくり進行するのが特徴で、一般的には数年から十年以上かかって進んでいく。

 アルツハイマー病は、脳の神経細胞間の情報を伝達する「アセチルコリン」という神経伝達物質が減っていく。この物質の減少を抑えるのによく使われているのが、塩酸ドネペジル(商品名アリセプト)という薬だ。効果がみえ始めるまで時間かかかるものの、症状の進行を遅らせることはできる。

 しかし根本的な治療法にはならない。そこで注目されたのが、「アミロイドβタンパク」という物質。アルツハイマー病の進行度に応じて、患者の脳に沈着する量が増える。このβタンパクを取り除いたり、沈着を防ぐ薬剤の開発が進められている。

 病院では認知障害の程度を調べる検査がある。「ミニメンタルテスト(MMSE)」と呼ばれ、いくつか質問して口頭か筆記で回答してもらう。二十問ほどで満点は三十点。点数が低いほど認知障害が進んでいる、同時にMRI(磁気共鳴画像診断装置)による脳形態の変化を調べる。脳の血流を調べる「スペクト」などの検査もある。

 大切なのは早期診断と予防。アルツハイマー病は認知障害のほか、意欲の低下や感情障害、幻覚なども現れるため、気付いたら神経内科や物忘れ外来などを受診する。予防は、食事の際に肉より魚を多く食べる、野菜や果物を積極的に食べる―などを心掛ける。適度な運動を続け、趣味を持って人と交わる―など前向きの生活習慣が予防につながるとされている。

  (熊本日日新聞2007年3月7日付夕刊メディカル)
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