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特発性正常圧水頭症 歩行障害の原因認知低く
 “治る認知症”といわれる「特発性正常圧水頭症」(iNPH)を、歩行障害の原因になる病気と知らない人が、80%を超えていることがインターネットによる調査で分かった。

 iNPHは「歩行障害」「認知症」「尿失禁」の初期症状が現れる。松下記念病院(大阪府守口市)の森敏(さとる)・神経内科部長によると、iNPH患者の歩行障害は喜劇俳優チャップリンの歩き方に似ており、開脚歩行が典型症状の一つ。類似疾患のパーソンキン病は動作の一つ一つがぎごちなくなり、歩行動作が小さくなった状態で開脚はみられない。

 「認知症」はアルツハイマー型認知症にみられるが、患者は受け答えは円滑でも記憶障害が著しく足腰の強い健康な人が多い。一方、iNPHは強い記憶障害はなく、間違いを正すと気が付く場合がある。「尿失禁」は、iNPHの患者は歩行障害や認知症状よりも遅れて現れる。

 iNPHの病態啓発に注力しているジョンソンエンドジョンソンのメディカルカンパニー(東京都千代田区)が6月19日〜7月17日の間、一般の人705人にiNPHに関する認識調査を実施。「歩行障害の原因になる知っている代表疾患」を尋ねたところ(複数回答可)、iNPHを挙げたのは18・0%。脳卒中91・1%、パーキンソン病70・8%に大きく水を開けられた。

 またiNPHが手術で改善する認知症・歩行障害ということを知っていたと回答した人は16・0%。半面、知らなかったと答えた人は59・7%だった。

 iNPHは高齢者の水頭症。病院の「物忘れ外来」などを訪れる患者の約3%〜5%と推定されている。原因は完全には解明されていないが、脳脊髄液(髄液)の流れが、何らかの原因で悪くなると、頭がい内に髄液がたまり脳室が拡大。髄液の脳室での産生、脳表や脊髄のくも膜下腔(くう)への循環、頭のてっぺんの静脈血中で吸収というサイクルが阻害され、歩行障害など3つの症状を引き起こすとみられる。

 頭の代わりに腰にチューブを入れて腹に髄液を導くL―Pシャント手術が普及し、患者の負担が軽くなった。ただ適用できない患者もいる。

 (熊本日日新聞2006年10月25日付夕刊メディカル)
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