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物忘れ検診 地域ぐるみで予防対策
 高齢化社会の進行に伴い、増え続ける痴呆(ほう)性老人。その数は全国で百五十万人以上といわれる。厚生労働省は二〇〇五年度から、介護保険の中で予防に力を入れるが、岩手県盛岡市は、同市医師会と連携して住民基本健康審査(健診)に「物忘れ検診」を組み込み、早期発見に取り組んでいる。

「もの忘れ検診」の一次検診と二次検診に使われている検診票。盛岡市医師会が作成した
 痴呆(認知症)は、患者本人に自覚がない場合がほとんどで、深刻化するまで治療を受けないケースが少なくない。盛岡市は〇三年度、原則四十歳以上の住民基本健康審査に「物忘れ検診」を追加した。

 実は、この検診は、同市医師会が〇二年度、健康審査に訪れた希望者に独自に試みた。医療施設四十五カ所が参加し四百七十三人が受診。結果、アルツハイマー型痴呆が十七人、脳血管性痴呆が七人、うつ病・その他が三人判明、早期発見につながることが分かった。市医師会は、市当局に基本健康審査への組み入れを提案。〇三年度から、市の委託で医師会が、六十歳以上の希望者を対象に実施している。

 検診は、一次、二次、三次とあり、一次と二次は医師会作成の問診票に受診施設で答えてもらうだけだ。一次検診は、配偶者の有無や同居家族の有無など五項目と「朝食の内容を全部思い出せない」「野菜の種類を五種類以上言えない」といった十項目を尋ね、三項目以上答えられないと二次検診に。

 二次検診では「いま、何月ですか」「何年生まれですか」といった十項目を聞き、二項目以上間違えると、神経内科や精神・神経科を抱える岩手医科大付属病院や県立中央病院など六つの医療機関に紹介、CT(コンピューター断層撮影)などを使った精密検査を勧める。

 市医師会によると、〇四年度の結果は集計中だが、〇三年度は九十五施設で二千三百三十六人が一次検診。うち千三十七人が二次検診を受診、百十七人が三次検診の対象になった。未受診や受診拒否者ら四十二人を除き、三次検診の受診者七十五人の内訳は、異常なし十六人、アルツハイマー型痴呆二十六人、脳血管性痴呆六人、その他痴呆六人、軽度認知障害十七人、うつ病四人だった。軽度認知障害者を含め、一次検診者の2・1%が痴呆か一歩手前の状態だった。

 「普通の住民健診で、専門医ではなく、かかりつけ医師が痴呆症を最初にみつける。このことが、地域の痴呆に対する認知度を高め、地域挙げた予防対策づくりにつながっていくと思う」。盛岡市医師会事務局の水本達彦・業務係長は指摘する。

 (熊本日日新聞2004年12月15日夕刊掲載)
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