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| アラキドン酸 脳の働きに重要な役割 |
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ヒトが生きていくうえで欠かせない、必須不飽和脂肪酸の一つであるアラキドン酸(ARA)が、記憶など脳の働きに重要な役割を果たすことが確認され、注目されている。
アラキドン酸は、母乳やレバー、卵黄にわずかに含まれるが、それだけでは不十分という。このため食品からリノール酸を摂取し、体内でアルキドン酸を合成する。ただ高齢者や乳幼児では合成する酵素の働きが弱く、合成量が少ない。
海外の研究では、アルツハイマー型痴ほう症は、記憶をつかさどる脳内の海馬に存在するアラキドン酸が減っていた。アトピー性の疾患では血中の、糖尿病では肝臓のアラキドン酸が減る。
サントリー(大阪市)は一九九三年、微生物発酵技術を使い、高濃度のアラキドン酸を含む食用油脂の製造に世界で初めて成功。同社健康科学研究所(大阪府島本町)は、この食用油脂を使って、杏林大、京都大、大阪大などと、アラキドン酸の効能に関する共同研究を進めている。
この中で健康な高齢者二十人に対し、アラキドン酸含有の油脂を、一カ月間、毎日摂取してもらい、摂取前後の認知能力を比較した。その結果、油脂摂取後の高齢者は、摂取前より有意に認知能力がアップ。同時に認知能力が高まった高齢者ほど、血中のアラキドン酸の量が増えていた。“若返った”わけだ。
一部の高齢者ではうつ症状の改善効果もみられた。
ラットを、アラキドン酸含有の油脂を二カ月間投与した老齢ラット群、普通のエサを与えた老齢ラット群、若齢ラット群の三グループに分類。墨汁を入れた水槽の中に木の台を置いて、ラットが台をみつけるまでの時間を測って、学習能力を調べる実験をした。
水槽に入れたラットは、最初は泳ぎ回った末に台にたどり着く。何回も繰り返すうちに、台の場所を覚え、たどり着く時間が短くなる。実験では、アラキドン酸を食べた老齢ラット群は、普通のエサのラット群よりたどり着く時間が短く、中には若齢ラットを上回る老齢ラットもいた。
さらにラットの脳神経に電気刺激を与えて、神経反応をみる実験も試みた。ここでもアラキドン酸含有の油脂を食べたラットは、刺激に対する反応が有意に改善した。
いろんな病気の原因になる活性酸素で傷つけられた神経細胞膜が、アラキドン酸で修復されたとみられる。ただ同健康科学研究所は「アラキドン酸だけを過剰に摂取するのは好ましくない」と指摘している。
(熊本日日新聞2004年6月16日夕刊掲載) |
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