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睡眠時無呼吸症候群 放置すると脳卒中の危険も
 睡眠中にいびきがひどく、たびたび呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群(SAS)。呼吸が繰り返し停止するため、酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する「ガス交換」が十分にできなくなる。呼吸が止まると、息苦しさからほぼ目覚めた状態になることで眠りが浅くなり、昼間に眠気に襲われ、仕事中の事故にもつながりかねない。放置しておくと、脳卒中になる危険性も指摘されている。

  脳卒中予防の観点から、この病気を治療している医療施設もある。日赤医療センター(東京都渋谷区)の脳神経外科(鈴木一郎部長)で、睡眠呼吸障害センターを開いている。

  鈴木部長は「この病気の定義は、十秒以上の呼吸停止が一時間に五回以上あること。患者さんの典型的なタイプは、太って首がないか短い人。空気が通るのどの気道がふさがりやすい」と説明する。

  いびきをかく人が、すべて睡眠時無呼吸症候群ではないが、“候補者”ではあることは確かだ。

  「合併症では、高血圧に三倍、心疾患には一・二〜六・九倍なりやすいし、糖尿病も併発しやすい。脳卒中には一〇・八倍なりやすい。死亡率は、一晩二十回以上の重症の人で、七〜八年で三分の一の人が亡くなる」。鈴木部長は、そう話す。

  治療は、内科的には鼻に吸入器をあて、鼻孔を通して持続的に圧力をかけながら、のどを広げて呼吸する「経鼻的持続陽圧呼吸法」(CPAP=シーパップ)、歯科的にはマウスピース、外科的な手術などの方法がある。太っている人は減量も欠かせない。

  このうち、最も有効な治療法とされるCPAPは、健康保険が適用され、自宅でもレンタルで使える。患者ごとに睡眠ポリグラフの記録に基づき、適正圧を設定する。効果は顕著で治療開始から無呼吸が消え、熟睡できるという。ただ装着に伴う不快感や圧迫感、鼻粘膜の乾きなどを訴え、なじめない患者もいる。

  さらに装着していれば無呼吸は治るものの、睡眠時無呼吸の原因そのものは治せない。長期間装着し、その間に減量や禁煙、禁酒といった努力が必要だ。

  鈴木部長は「睡眠時無呼吸症候群は、質の悪い睡眠から生活の破壊をもたらし、最終的には血管障害から脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などを起こす。心当たりのある人は早めに受診を」と言っている。

 (熊本日日新聞2003年2月18日夕刊掲載)
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