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脳動脈瘤への血管内治療 外科手術より高い有効性
 くも膜下出血は、脳の血管にできたこぶである脳動脈瘤(りゅう)が破裂して起きるケースが一般的だ。破裂の治療は、こぶの根本をクリップで挟み出血を止める脳外科手術と、血管からこぶの中に細く柔らかい金属を詰めて血流を遮断する脳動脈瘤塞栓(そくせん)術があるが、英医学誌「ランセット」は、塞栓術の方が一年後の有効性が高いとする大規模臨床試験の結果を掲載した。

 塞栓術は「血管内治療」とも呼ばれ、一九九一(平成三)年に米国で初めて実施された。当初は外科手術に耐えられない高齢者や、こぶの位置が脳の奥にあり治療が難しい人に限られることが多かった。このため外科手術に比べ治療成績が悪いとのデータも多く、二つの治療を同一条件で比較する必要性が指摘されていた。

 今回の臨床試験は、外科手術と塞栓術の双方が実施可能な欧米の四十四病院を舞台に、九七年以降、二千百四十三人の患者に実施された。いずれも動脈瘤が破裂し、双方のやり方で治療可能と判断された人たち。いずれかを無作為に割り当て、治療一年後の患者の状態を0から6の七段階の重症度分類で評価した。

 その結果、死亡または介助が必要な状態である3から6と判断された患者の割合は、外科手術が30・6%。これに対し塞栓術は23・7%で危険性は四分の一ほど低かった。

 塞栓術は日本では九七年に承認されたが、琉球大医学部の兵頭明夫助教授は「今回の結果は、一年後にこれだけの差が出たという点で衝撃的だ」と驚く。同助教授は外科手術のほか、二百例近い塞栓術も手掛けている。塞栓術に使われる現在の製品は安全性が高まり、こぶに詰めるプラチナ製コイルを簡単に切断でき治療時間の短縮につながっている。

 しかし日本の塞栓術は外科手術の八分の一程度で実施施設も限られている。関連学会の指導医や専門医も約百五十人と少ない。兵頭助教授は「塞栓術は患者への負担が少なく、外科手術が難しい部位での治療も可能なことなど利点は多い。ただ、こぶのタイプやできている位置では向かないこともある。長期的な効果もまだデータ不足だが、患者に双方の利点と欠点を説明し、希望があれば応えていく時代に来ているのではないか」と言っている。

 (熊本日日新聞2002年12月17日夕刊掲載)
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