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手足のしびれは神経内科へ 早めの専門医診察を
 びりびりしたり、じーんとしたりと「しびれ」の症状は実にさまざま。多くの人が経験したことのある症状だが、しびれの原因を突き止め、治療を正しく進めるためには、なるべく早い段階で神経内科の専門医による診察を受ける必要がある。

ハンマーでしびれの症状を調べる内野誠教授=熊本大付属病院
 熊本大大学院医学薬学研究部の内野誠教授(神経内科学)によると、しびれの診察は「特に専門性が高い領域」という。研修医に接する際には、患者の手足に触れたり病歴を確認するといった診察の基本をきちんとトレーニングすることの大切さを常々強調する。磁気共鳴画像装置(MRI)などのハイテク器機に頼りすぎるのは禁物だ。

 しびれの原因は、脳や脊髄(せきずい)といった中枢神経の異常と、手や足などに伸びる末しょう神経の異常の2種類に大別できる。

 末しょう神経異常の診察では、ハンマーでたたいて反射の強さを確認したり、筆でなでたり、音叉(さ)で振動を与えて反応をみる。これらの診断で神経の異常が起きている場所を大半は特定できるという。

 さらに、発症時期や症状の変化などといった病歴を聞き取ることで、脳卒中なのか中毒なのかといった病気の性質が分かる。正確に診断するには専門のトレーニングを積む必要がある。

 詳しく診断するための検査法として針を刺し筋肉の状態を調べる「針筋電図」や神経の電気の伝え方を測る「神経伝導検査」などもある。

 神経内科の専門医による診察を受けないと、誤診から間違った治療に進んでしまう恐れがある。

 「手根管(しゅこんかん)症候群」の診断は特に難しい。手首で神経が圧迫され、親指、人差し指、中指と、薬指の半分がしびれる。一方、大脳の中の感覚をつかさどる部分に脳梗塞(こうそく)が起きると親指、人差し指、中指がしびれる。症状が非常に似ているため、誤診につながりやすい。

 帝京大医学部(東京)の神経内科医、園生雅弘講師は「50代、60代になれば誰にでも小さな脳梗塞や頸椎(けいつい)変形はある。糖尿病のしびれは必ず脚から始まる。われわれのところに来るまで、九つの病院を回ったという人もいた」という。

 MRIで調べた揚げ句に「小さな脳梗塞がある」と薬を出されたり「頸椎に変形がある」と手術されたり。「糖尿病が原因だ」と診断されることもある。もちろん治らない。

 手根管症候群ならば神経伝導検査をすれば、すぐに分かる。手根管症候群は手術で改善するほか、手首の無理な使い方を避けるだけでよくなることもある。

 園生講師は「MRIの検査だけだと誤診する。MRIが普及したことで誤診は確実に増えた」と指摘する。

 神経内科の専門医は日本神経学会の資格試験を経て認定される。県内には75人いる。名簿は学会のホームページhttp://www.neurology-jp.orgで公開されている。

 (熊本日日新聞2006年4月5日付朝刊くらし面)
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