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鼻腔内視鏡手術 患者の負担軽く高齢者にも
蓄膿(のう)症の名前でなじみ深い慢性副鼻腔(びくう)炎。一昔前のように「青ばな」を二本垂らした子どもはまずみられなくなったが、患者が減ったわけではない。むしろ鼻アレルギー疾患との合併症は増加中だ。副鼻腔の炎症が深刻になれば、薬物療法では間に合わず、鼻腔内視鏡を使った手術の出番になる。
鼻は、鼻腔を二つの通路に分ける軟骨を含めて骨と軟骨からでき、空気で占められる前頭洞、上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞からなる副鼻腔が、鼻腔とつながっている。
正常な副鼻腔では、鼻腔と各空洞部分の開孔部を通じて洞内の換気と分泌物の排せつがなされている。ところが、外気に直接さらされる鼻腔の粘膜が、かぜなどで膨張し開孔部に及ぶと、洞内の換気と分泌物の排せつが滞る。この状態が長く続くと、細菌感染によって空洞部分に膿(うみ)がたまったり、粘膜が腫れたりする。これが慢性副鼻腔炎だ。
熊本大医学部の湯本英二・耳鼻咽喉科教授によると、最近は「青ばな」に象徴される化膿型は姿を消し、鼻詰まりや鼻汁といったアレルギー性鼻炎に似た症状が増えているという。放置すれば、中耳炎や気管支炎が悪化し、視力は低下。頭蓋(ずがい)内に炎症が及ぶと死に至る可能性もある。
症状が軽い場合は、薬物を使った保存的療法になるが、長期間効果がみられなかったり、中等以上に進行していたら手術に頼らざるを得ない。
手術は従来、上唇の裏の粘膜を切り開き、空洞部分で炎症を起こしている粘膜を摘出。場合によっては、頬(ほほ)の骨を削っていた。しかし、「手術をしても完治せず、しかも痛い」「術後に歯が浮いた感じがする」などと不評で、鼻腔の形が変わる難点もあった。
そんな中、一九八〇年代にドイツで鼻腔内視鏡を使った手術が登場。鼻の穴から内視鏡を入れ炎症を起こしている患部を取り除くようになった。この方法だと患者の負担が小さく、お年寄りでも手術できる。湯本教授は「最高九十三歳の患者を手術した経験もある」と話す。現在は内視鏡にビデオカメラを接続。テレビモニターをみながら手術を進めるため、内視鏡を容易に操作できる。
この手術の特徴は、篩骨洞以外の三つの副鼻腔粘膜を除去せずに、本来の洞の形態を保存したまま治すことだ。「従って術後の管理がとても重要になる」と湯本教授。一人の医師が術前から術後まで一貫して患者に接することが望ましいと強調する。
(熊本日日新聞2003年3月4日付「夕刊メディカル」)
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