タイトル
2008年7月2日
細川歴代の文と武と美(県立美術館本館)
2008年4月25日掲載
「細川歴代の文と武と美」の展示物に見入る人たち=25日午前、永青文庫展示室(植山茂)
  肥後細川家に伝わる美術工芸品や古文書を常設で公開する「細川コレクション 永青文庫展示室」が二十五日、熊本市二の丸の県立美術館本館に開館し、記念展「細川歴代の文と武と美」(同館、熊日、熊本放送主催)が開かれている。

 永青文庫は、細川家十六代当主の故護立氏が一九五〇(昭和二十五)年に設立。美術工芸品だけで約六千点を所蔵し、東京・目白の本部で公開しているが、外部での常設展示は初めて。文化、経済関係者を中心に根強かった地元からの要望を受け、熊本への“里帰り”が実現した。

 展示室は、本館南側にあった多目的室の内部を改装して開設。七月六日までの記念展第一部では、本館二階も使って幅広い美術品や古文書を公開する。展示を入れ替えながら、国宝二点、重要文化財十二点をはじめ、計二百点以上を出品。歴代当主ごとに関連の書画や武具、陶磁器、書状などを並べ、室町時代から七百年近くにわたる細川家の歩みを紹介する。

県立美術館分館(24〜29日、熊本市千葉城町)
心象風景や抽象の大作が並ぶ熊本独立作家展=県立美術館分館
 「第23回書法篆刻(てんこく)展」は、県書道連盟副理事長の平方研水さん(67)=合志市=が主宰する維熊篆会の60人が篆書、隷書と篆刻約150点を出品。書は中国の古典や碑文を題材にした軸やパネルが並び、絵画的で力強い筆運びが印象深い。篆刻は動物や自画像、風景などの絵を彫った肖形印に取り組み、遊び心が伝わる。

 「熊本独立作家展」は、独立美術協会に所属する県内の14人が秋の独立展に向けて描いた心象風景や抽象の大作27点を並べた。子どもをモチーフにした上村隆一さんや正村タカシさん、人物群像を描いた磯谷精一さんや本村徹郎さんなど、それぞれのテーマを追求。坂田燦さん(71)=熊本市=は奔放に色を塗り重ねた抽象に挑み、新しい表現を披露している。(写真)

 「江海個展」は、中国・広西省出身の江さん(36)=福岡市=が中国古来の壁画技法で龍などを描いた40点を出品。赤や金などの鮮烈な色彩と盛り上がった絵肌で「福」などの漢字も刻字のように表現している。

 「第4回Fアトリエ展」は、画家の二子石義之さん(72)=合志市=の教室に通う13人が油彩を中心に2〜3点ずつ出品。幻想的な心象風景を交えた具象が目を引く。

県伝統工芸館(1〜6日、熊本市千葉城町)
夏らしいガラスの器など全国各地の工芸品が並ぶ“涼の工芸”展=県伝統工芸館
 「“涼の工芸”展」は、同館友の会の会員が産地巡りで探し集めた工芸品を紹介。ベトナムの陶器、イタリアの磁器など海外から青森のこぎん刺し、岩手の南部鉄器など日本各地と県内まで、四十一工房の約千五百点を並べた。ガラスの器や淡く染めたタペストリーなど夏らしさが漂う。(写真)

 「二人の陶・磁展」は、大分市の陶芸家の二人展。古藤隆司さん(54)は磁器、かわさきじんさん(53)は陶器を中心に約200点を出品。古藤さんは草花の絵をぼんやりと転写した器、かわさきさんはユーモラスな鬼や動物の像が目を引く。

 「木工芸展」は、木製家具を制作する工藤清雄さん(51)=宮崎県西都市=がいすやテーブル、盆など約100点を並べた。リクライニング式で長い背もたれのいすなど、遊び心を感じさせる。

 「グループ・フィーナ熊本作品展」は、紫垣保名さん(58)=熊本市=が主宰する磁器上絵付け教室の17人が草花などを手描きした食器を出品。明るい色彩で華やかな印象を醸し出している。


柳田也寿志×勝山奈美二人展
2008年7月3日掲載
人物を描いた油彩や水彩を並べた二人展を開いている柳田也寿志さん(左)と勝山奈美さん=熊本市
  1日、熊本市水道町のギャラリー武智で始まった。10日まで。崇城大大学院修了生の柳田さん(26)=熊本市=と同大卒業生の勝山さん(23)=同=が人物をカラフルに描いた油彩や水彩20点を出品。柳田さんは巨大な少年や頭にアンテナを立てた男性など、奇妙な姿と温かみのある油彩の色調が印象的。勝山さんは透明水彩やアクリル、パステルの淡い色調で、はかなげな少女たちを描き、キャンバスのほか段ボール箱も使って立体的に展示している。
 
第30回県書道展
2008年7月2日掲載
会員、準会員、無鑑査の作品約130点が展示されている県立美術館分館の第30回県書道展会場
 1日、熊本市二の丸の県立美術館本館と同市千葉城町の県立美術館分館で始まった。6日まで。熊本書芸振興会主催。本館には会友、公募の入賞作品約220点、分館は会員、準会員、無鑑査の約130点を展示。同会の森山淡草会長ら県内を代表する書家が漢字、かな、少字数などで繊細な筆遣いやたたきつけるような力強い筆跡など個性を競っている。最高賞の熊本書芸振興会賞を獲得、分館に展示された稲田春逕さん(同市)の漢字は、濃い肉太の筆跡と墨のかすれた部分がバランスよく配置され、緩急のテンポが心地よい。
 
小川洋一陶展―Wall&Box―
2008年6月28日掲載
天草陶石を使った壁掛けや、陶器の箱など約50点が並ぶ「小川洋一陶展―Wall&Box―」=熊本市島崎の島田美術館
  熊本市島崎の島田美術館で開かれている。7月6日まで。天草市生まれで佐賀市に北山窯を開く小川さん(43)の個展。天草陶石を使った壁掛けと陶器の箱など新作約50点を出展した。壁掛けは、液状の陶石を垂らして焼いたさまざまな形を組み合わせ、黒いボードに張り付けた。剣や人間のように見える形を集めて象形文字のように仕立てるなど、見る者の想像力をかき立てる。陶器の箱は、釉薬(ゆうやく)でさまざまな色合いを表現、縁を反らせるなど造形にも工夫を凝らしている。
 
逸品展 城下を彩る匠の技
2008年6月26日掲載
  25日、熊本市川尻1丁目のくまもと工芸会館で始まった=写真。市工芸産業振興協会(牧野利枝会長)の会員50人が陶芸や染織、木工、金工など約100点を出品。黒を基調に白いひび割れ模様と金の縁取りを組み合わせた革の箱、球形に星や雲の絵柄を施した肥後象がんの香炉など、幅広い分野の工芸家が自信作を並べ、それぞれの腕を競う。伝統的な刃物やまりの一方で、オレンジと茶で細い縦じま模様を刻んだ陶芸など、現代的な感覚の作品も目を引く。
 
坂本善三とヨーロッパの版画展

2008年6月20日掲載

  18日、阿蘇郡小国町の坂本善三美術館で始まった=写真。8月31日まで。坂本が手掛けたリトグラフ(石版画)から、86年の仏・FIEST展グランプリを受賞した「構成80」など8点を展示。坂本寧名誉館長が仏の版画工房で制作した銅版画8点、同館長寄贈のブラン・ボガルト(ベルギー)、ハンス・アルトゥング(独)の作品など計33点を並べている。
 
第43回西部伝統工芸展

2008年6月19日掲載

陶芸や染織、金工の秀作が並ぶ第43回西部伝統工芸展=熊本市
  18日、熊本市手取本町の鶴屋ホールで始まった。24日まで。九州、沖縄、山口在住者を対象に公募した陶芸、染織、漆芸、金工など7部門の入賞・入選377点を展示。大賞に選ばれた久保田保義さん(人吉市)の陶芸「青白磁流線文扁壺」は、表面に曲線を彫り、気品と力強さを感じさせる。熊本県賞の溝口あけみさん(熊本市)の型絵染着物「春風」は、スッキリした柄と色彩が印象的。県関係では、陶芸の小川哲男さん(天草市出身)、木工の菅生均さん(益城町)、肥後象がんの廣重佐良子さん(人吉市)も入賞した。
 
光峯の織物美術展

2008年6月19日掲載

  18日、熊本市手取本町の鶴屋百貨店美術ギャラリーで始まった。24日まで。県立劇場や八千代座の緞帳(どんちょう)を制作したこともある織物作家の龍村光峯(こうほう)さん(62)=京都市=の作品展。額装した錦や帯など約100点を並べた。色とりどりの絹糸を丹念に織り上げ、繊細で豪華な雰囲気。動植物などの具象から宇宙を連想させる抽象まで、絵画的な表現を楽しませる。
 
矢田真之彫刻個展

2008年6月19日掲載

  熊本市上通町のギャラリーカフェ・トトで開かれている。22日まで。矢田さん(32)=那覇市=は熊本市出身の新進彫刻家。郷里での個展は初めてで、彩色した木彫11点を出品した。チョウや鳥の羽、砲弾から生えた花など、ユニークなモチーフを標本のようにガラスケースに入れて展示。色がはがれたり、一部が朽ちたように欠けるなど、古びた味わいを醸し出す。花嫁と花婿の顔を並べた作品は奇妙な造形が2人の内面を連想させ、物語性を感じさせる。
 
西嶋好美個展

2008年6月16日掲載

 熊本市手取本町の画廊喫茶・三点鍾で開かれている。20日まで。美術文化協会会員の西嶋さん(53)=下益城郡城南町=が、月をモチーフに心象風景を描いたアクリル画の近作16点を出品。月が浮かんだ夜空と花や猫を組み合わせ、静かで落ち着いた雰囲気が漂う。月に向かって飛んでいくような折り紙のチョウを描いた作品は、縦長の画面を生かした開放感のある構図。背景の空は青白く、明るい月夜を思わせる。星空をテーマにした自作の詩も展示している。
 
伊東浩一展

2008年6月14日掲載

  12日、熊本市島崎の島田美術館で始まった。22日まで。国画会会員で熊本学園大准教授の伊東さん(53)=北九州市=が熊本で3年ぶりに開く個展。小品から60号までの近作アクリル画約20点を出展した。研修で滞在した米サンタモニカや三角西港(宇城市)の海岸から着想したという作品群は、穏やかな海と山が明るい色彩で描かれる。曲線を多用したやわらかなタッチと、画面から浮き上がるように表現された魚や花が、ふんわりとした雰囲気を醸し出している。
 
くまもとの画家 肖像写真展

2008年6月14日掲載

 11日、熊本市北千反畑町の画廊喫茶・南風堂で始まった。2005年から県内の画家の肖像を撮り続けている内田眞治さん(62)=鹿本郡植木町=の個展で、07年7月に続き2回目。15日までの第1期では、県美術協会長の坂田燦さん、二科会評議員の木戸征郎さんら16人の写真を並べ、アトリエでキャンバスに向かう姿などを紹介している。16〜20日の第2期では、4月に亡くなった森山裕之さんら16人の写真を展示する。
 
村田紀美子・和田ゆみ子二人展

2008年6月10日掲載

和田ゆみ子さんとの二人展を開いている村田紀美子さん=熊本市
  7日、熊本市上通町のコレクションOMOで始まった。22日まで。グループ展を中心に活動している村田さん(44)=熊本市=と和田さん(45)=合志市=が、静物画を中心に計28点を出品。村田さんは岩絵の具で花やケーキ、おもちゃ、和田さんは透明水彩で花や果実を描いている。両者とも軽く明るい色調で優しげな雰囲気を漂わせる一方、村田さんは厚くざらついた絵肌、和田さんは淡くみずみずしい表現で、質感の違いを楽しませる。
 
四季をテーマ、江戸美術100点 島田美術館

2008年3月2日掲載

 四季の風物を題材にした江戸時代の美術工芸品を紹介する「爛漫(らんまん)・花鳥風月」展が、熊本市島崎四丁目の島田美術館で開かれている。七月六日まで。

 熊本藩の御用絵師だった矢野義勝、衛藤良行らが花鳥図を描いた屏風(びょうぶ)や掛け軸、花や鳥の絵柄を施した螺鈿(らでん)の刀掛けや蒔絵(まきえ)の重箱など約百点を展示。桜が咲く風景を描いた熊本城の絵図、赤い生地に色とりどりの糸でしだれ桜の絵柄を縫った打ち掛けなど、春を感じさせる美術工芸品が目を引く。

 文人画家の福田太華が描いた掛け軸「牡丹(ぼたん)に孔雀(くじゃく)図」は、迫力のある構図と豪華な彩色が印象的。着物のほか、くしやかんざし、小物を入れる箱迫(はこせこ)など、女性の装飾品もさまざまな素材や形がそろい、華やかな彩りを添えている。(小林義人)