
「合併」住民投票 植木町と西合志町 識者はこう見る
鹿本郡植木町と菊池郡西合志町で十三日、熊本市との合併協議会(法定協)設置の是非を問う住民投票が告示された。識者からは住民投票の意義を評価する意見の一方で、行政からの客観的な情報の提供や住民の冷静な判断を求める声が上がっている。
熊本県立大学の中島煕八郎教授(農村計画)は今回の投票について、「住民が自分の判断を表明できるという点では評価できる」としながらも、「住民には判断材料となる情報が十分に流されていないのでは」との見方。
同教授は「合併の目的は自治体の財政支出を減らすこと。『合併特例債があるから』と浮かれてやる合併であれば危険」とも指摘する。
同大学の荒木昭次郎教授(地方自治)は「新幹線開通も控えた中で、(福岡や鹿児島と比べ)熊本が衰退しないよう都市圏全体を考える視点も重要」と言う。
ただ、これまでの合併論議については「将来の大きな展望も示されておらず、(周辺町の住民がどの程度、熊本市の行政サービスに依存しているかなど)都市圏全体に関する客観的な情報も少ない」と判断材料の乏しさを指摘する。
一方、合併特例法に基づく住民投票について「大きな混乱を招く恐れがある」と疑問を投げかけるのは鹿児島大学の平井一臣教授(政治学)。
同教授は「法定協で新市建設計画が明らかになった上での投票や、複数の枠組みに対する投票ならば意味があるが、(特例法に基づく投票は)漠然としたイメージの中で合併枠組みを決めかねない」と指摘。「ただ、住民内できちんとした議論があれば投票も無意味ではない。住民としてはより多くの情報を行政に求めることが大事だろう」と話している。
熊本日日新聞2003年3月14日朝刊
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