「ポキッと折って塩もみもみ。おいしくなーれ」。高森町下切地区のくまTOMO自然村の今年初めてのイベント「高菜の新漬けづくり体験」が3月中旬にあり、くまTOMOサポーター家族約50人が参加しました。畑から収穫する「高菜折り」から、たる漬けまでの作業すべてに汗を流しました。(藤山裕作)
自然村は、下切地区の農家甲斐好夫村長や住民の協力で2022年春に開村しました。年間を通じて、TOMOサポたちが阿蘇の伝統的な農業や昔ながらの暮らしの知恵を学んでいます。3年目の開村式では、熊本市立碩台小6年の吉田将己さんが「今年も楽しい体験をして、世界に一つだけの村を作っていきます」と元気よく宣言しました。
高菜は、阿蘇の農家が地トウキビなどを収穫した後の畑などで栽培。春になると一部を収穫し食べますが、ほかは土に混ぜ込んで土壌殺菌などに役立てているそうです。
TOMOサポたちは、甲斐さんの高菜畑約20㌃に入り、「緑のじゅうたんみたいで寝ころがってみたい」などと歓声を上げました。早速、上から20~30センチほどの茎を「ポキッ」と音を響かせながら折って収穫しました。20本ほどを一束にくくり、20束で約10キロ分になります。腰をかがめながらの作業はなかなか大変ですが、家族で協力して積み上げていました。
収穫後は塩もみ。おいしくするポイントは塩分濃度。高菜10キロに対して400グラムを使って丁寧にもみ込みます。塩もみした高菜はたるに漬けて重しをします。しみ出た水分を取って漬け直しするなどの工程を終え、3、4日ほどで新漬けが完成します。
熊本市立画図小3年の山下玲奈さんは母と妹の3人で懸命に作業。3人は「初めての体験で楽しい。高菜ができたら、お父さんが釣ってきた魚と一緒に食べたい」と笑顔で話しました。
本物の学びを 体験型イベント
「楽しく、本物の体験を」。くまTOMO編集室では、地域や企業、学校などとつないだ、親子の体験型コンテンツに力を入れています。熊日が県内にはりめぐらせたネットワークを生かして、子どもたちに学校だけではない学びを深めてもらう狙いです。3月~来年2月に予定している年間企画の一部を紹介します。
参加は、くまTOMOサポーターと熊日IDの登録(いずれも無料)が必要。体験型コンテンツごとに募集し、終了後には「感想」を提出してもらいます。
くまTOMO自然村は、高森町下切地区を舞台に3月の高菜漬けづくりを皮切りに年4、5回のイベントを実施します。5月には、昨年7月に全線開通した南阿蘇鉄道のトロッコ列車を使った「くまTOMO号」の乗車を計画。また、熊本高専の先生や学生に教えてもらうプログラミング教室、警察官の仕事体験、酪農体験などを企画します。
このほか、検討中のコンテンツもありますので、くまTOMO紙面や電子版でチェックしてください。
くまTOMO自然村 年間計画
◎
春(3~5
月)
自然村 高菜の新漬けづくり |
ホテル日航熊本協力のイチゴ収穫とデザートづくり |
自然村 山菜採り体験 |
南阿蘇鉄道トロッコ列車「くまTOMO号」 |
ハイヤ踊りなど体験 |
◎
夏(6~8
月)
酪農体験 |
熊本高専協力のプログラミング教室 |
自然村 川遊びとそうめん流し |
警察官の仕事体験 |
◎
秋(9~11
月)
◎
冬(12~2
月)
情報モラル教室 |
野鳥観察会 |
※
予定や
内容を
変更する
可能性があります。
参加者の声
初めてイベントに参加しました。娘も初めは緊張した雰囲気でしたが、友達もできてポキポキと収穫を楽しんでました。私も田舎のおうちや風景に癒されました。
今後こうだったらいいなと思うところは、受け付けがわかりにくいのと、主なスケジュールの時間、高菜のもみ込み方、たるへの入れ方など動作の初めなどに教えてもらうと良かったです。(益城町立飯野小1年、岩上佳奈さんの保護者)
とても貴重な体験をさせていただきありがとうございました。子供が体調不良で、私だけの参加となりましたが、子供には是非体験させてあげたいと思います。また、来年もよろしくおねがい致します。(熊本市立月出小2年、辰島寿梨さんの保護者)
いっぱいとれて良かったです。おいしいタカナが食べれます♪ おじいちゃんおばあちゃんにもあげました。タカナおにぎりさいこうです!(宇土市立花園小1年、中西快斗さん)
初めて高菜漬けを作りました。収穫をしてから、塩をたくさん使って高菜をもみました。もむにはコツが必要で、とても大変でしたが、おいしい高菜漬けができるのを楽しみに頑張りました。お昼に食べたカレーがおいしかった! 漬物も高菜漬けも楽しかったです。また参加したいです。(合志市立南ケ丘小5年、馬渡彩加さん)
2月の新聞記事に「阿蘇高菜の害虫被害が深刻」とあったので、とても心配していましたが、高森の高菜は無事だったそうで、たくさん収穫できました。夢中で作業を終えたあとのお昼ごはんも、とてもおいしかったです。(熊本市立碩台小6年、吉田将己さん)
今回の高菜漬けは前回よりもうまくできた。高菜折りは前は土まで取ってしまっていたけど今回はちゃんと折れるところからポキッと気持ち良く折れたので良かった。
高菜漬けも、前回は長く漬けてしまい失敗してしまったので今回は、短く漬けたのでうまくできて良かったです。そして今回も、カレー3杯だごじるを4杯食べた。
いつも通りおいしかったので満足できた。(熊本市立田迎西小5年、佐藤甫さん)
初めて高菜の畑を見ました。白菜みたいなのかな、と思ってたけど、ほうれん草みたいで意外でした。高菜のつみ方を教えてもらったけど難しくて、ポキポキ折ろうとしても根っこごととれちゃうこともありました。塩もみ作業は楽しくてすいすいできました。夢中になりすぎて水分補給を忘れ、頭が痛くなったのでしまったと思いました。でも高菜のにおいがよくてすごく楽しかったです。(宇土東小5年、前田結花さん)
ちょうど高菜漬けが好きになったタイミングでの参加でした。好きな食べ物がいろんな工程を経てできあがることが大変興味深い様子でした。
また、漬物の説明から発酵食品の話に広がるなど、子供の視野を広げる副次的な効果もありました!
子供も「とても楽しかった」と言っています。こういったイベントには今後も参加していきたいと思います。(幼稚園年中・山本曽太郎さんの保護者)
高菜がポキポキ採れるのが面白かったです。塩もみは、強くするとつぶれそうなので優しくしました。今、重しをのせてつけています。おいしいのができるかワクワクします。また行きたいです。(宇土東小2年、前田紗和子さん)
今年も高菜折りに参加しました。去年よりは収穫できなかったけれど、母と二人で一生懸命に収穫しました。塩もみの作業がとてもきつかったけど、おいしい高菜漬けができるようにと頑張りました。お父さんが事故で亡くなって10年目、今年も春休みに鹿児島へお墓参りに行き、頑張って漬け込んだ高菜漬けをたくさんお供えしてきます。(熊本市立西原小4年、藤元結心さん)
大きな畑で高菜を取っていくのが楽しかったです。高菜を塩でもむのは力がひつようで大変でした。次の日、つけなおす時に水分がたくさん出ていてびっくりしました。できた高菜づけはチャーハンで食べたらとてもおいしかったです。(熊本市立東町小2年、冨山徹匠さん)
核家族化が進む中で、子どもたちに田舎の雰囲気と温かさを感じてほしくて、くまTOMOに入会し、今回初めてイベントに参加しました。収穫から新漬けまでタイムスケジュールの範囲内で自由に作業することができて、気疲れもなく、子どもたちもノビノビと体験することができました!自分たちで収穫したお野菜はとってもおいしいと思うので、家族みんなで味わって食べたいです。甲斐さんのお宅はDASH村の雰囲気で、熊本の名所だと思います♪ くまTOMOスタッフの方も親切で、お世話になりました。(熊本市立画図小3年、山下玲奈さんの保護者)
初めての高菜の収穫で母と弟との3人で10キロをとるのは大変でした。収穫した高菜に塩を振ってもんでいくと水分が出るのでそれをたるに入れていきました。時間がかかったけれど夢中になっていて、終わった時はうれしかったです。家に持ち帰って次の日、水分をしぼってまた漬けました。この時に味見をすると、もう高菜漬けの味になっていて驚きました。(熊本市立東町小5年、冨山陽菜乃さん)
きょねん参加させてもらって、すごく楽しかったし、おいしかったから今年もぜったい参加したいと思って参加させてもらいました。
今年もおいしくできました。お昼ごはんもおいしかったです。(熊本市立力合西小2年、興梠愛佳さん)
初めて高菜折りをして、ポキポキと楽しかったけど、塩をもみ込むのが、簡単そうに見えたのに力もいるし、難しかったです。食べ物って、誰かがこうやって作ってくれているんだなぁと思いました。いっしょにしていて、お友達もできました。外で食べるはがまで炊いたご飯、おいしかったです。ありがとうございました。(合志市立西合志東小1年、小幡優結さん)
2回目の参加だったけど、去年と比べると高菜が細くて簡単にポキポキ折れました。しかし、細いため取ってもなかなか10キロにならず何回も高菜畑を行ったり来たりしました。
次は、高菜を塩漬けにしました。最初はなかなか塩が染み込まず何回も何回ももんでました。コツをつかんだら効率よくできるようになりました。また来年も参加したいです。(山鹿市立山鹿小5年、川野穂香さん)
高菜畑でポキポキと高菜を折りましたが、最後まで難しかったです。何とか目標の10キロを収穫しました。塩漬けをした高菜を大事に食べたいと思います。また来年も参加し来年は高菜折りのコツを学びたいです。(山鹿市立山鹿小6年、川野陽香さん)
高菜づけづくりで、高菜を塩もみするのをがんばりました。手に塩がついてあかくなったら手を洗いまたやりました。できあがったらおばあちゃんにも分けてあげたいです。(八代市立千丁小2年、有田碧さん)
いちばん楽しかった事はたかなをポキポキとおる時です。いちばんがんばったのは取ったたかなをしおでもむことです。さいしょは指を動かしてもんでいましたがなかなか色が変わりませんでした。でも「体重をかけてもんでみてごらん」とママが教えてくれたのでしてみると、さっきよりも早く色が変わりました。そして、たかなのいいにおいがしてきました。
たいけんが終わってごはんを食べました。がんばった後に食べたカレーはとってもおいしかったです。
楽しかったので来年はいもうとや家族みんなも連れてたかな取りたいけんに行きたいと思いました。
たかなづけが出来上がったらかつお節をかけて、ぽんずやマヨネーズで温かいごはんと一緒に食べるとおいしいそうです。(菊陽町立武蔵ケ丘小2年、伊津野ひまりさん)
秋に種まきイベントに参加して、収穫を楽しみに高森に向かいました。
ぽきっ! パキッ! と折り取る音が楽しくて今年は15キロは余裕でつみましたが、その後の塩もみの大変さをすっかり忘れてました。1束ずつ塩をまぶして体重をかけてしんなりするまでもんでいると汗が出てきて半袖で十分なくらいでした。
漬物は、ちょっと苦手でしたが、細かく刻んでチャーハンにして食べたら程よい塩味でシャキシャキした歯応えもよく大好きになりました。(熊本市立長嶺中2年、谷口怜衣さん)
【動画】自然の恵みに感謝 秋の味覚と交流を楽しむ(くまTOMO自然村)