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【電子版拡大版】「今季、飛躍の理由は?」「済々黌の監督になりたい?」「熊本おすすめグルメは?」…阪神・大竹投手に熊日会員の質問で直球勝負! 進化に和田の教えとダルの金言
プロ野球セ・リーグで首位に立つ阪神。その原動力になっているのが現役ドラフトでソフトバンクから加入した熊本市出身の大竹耕太郎投手=済々黌高出=だ。プロ6年目の今季、防御率1・13とリーグトップ(21日現在)で、チーム最多の6勝。熊日電子版のID会員から募集した約300件の質問や応援メッセージを携えて、快投を続ける左腕を直撃した。(デジタル編集部・高橋俊啓)
20日、本拠地の阪神甲子園球場での調整を終え、クラブハウスに姿を見せた大竹投手。取材の経緯を話すと、「質問を募集する記事は見ました。両親から教えてもらいました」と表情を崩した。質問を手書きしたノートをじっくりと見つめ、予定時間を超えて思いを語ってくれた。
-勝ち星は既に自己最多を更新してリーグ2位。勝率も同2位とタイトルも狙える成績。この結果をどう受け止めていますか?
「1試合1試合、必死で投げているだけで(好成績の)実感はないですね」
-『昨季と何が変わったのですか』というのが、一番多かった質問です。
「よく聞かれますが、急激には変わっていません。この1~2年、積み重ねてきたことがかみ合いだした。それが試合でも出せるようになったのでは」
-今季の投球に『球速が上がった』『インコースの制球が良い』などの意見が寄せられています。技術的にどこが進化しましたか。
「これまで腰を反って力を出すフォームだったが、開きが早くなり、体にも負担も大きかった。昨年、今年と(ソフトバンクの)和田毅さんの自主トレに参加し、体の使い方をゼロから学んだ。股関節と体幹でうまく力を出せるようにした。打者は同じ球速でも、4~5キロ速く感じるのだと思います」
-記者の印象としては以前はコースの隅を狙ってカウントが苦しくなると痛打されていました。今季はストライクゾーン内で勝負していますよね。
「今は四隅を狙って投げていません。自己分析すると、好調の時は(ストライクゾーンの)枠内に投げてもファウルを取れそうだなと思う。そんなメンタリティーの時が打たれていない。アウトローに決めないと打たれちゃうと思った時点で、逃げなんです。例えば(球速が遅い)チェンジアップにしても、かわそうではなく打者を攻める気持ちで投げた方が、相手の感じ方も違うと思います」
-そういう意味では、3月のオリックス相手のオープン戦(3回4失点)がいい経験になったのでは?
「その通り。うまくかわそうと、逃げのメンタルでの投球ではうまくいかないことを、その試合で確認できました。(今季初黒星を喫した)ファイターズ戦でも、そうなってしまった。そこでまた再確認できました」
-精神面の変化を口にしていますが、その考えに至ったきっかけは?
「ずっと考え方は性格なので変えられないと思っていた。ダルビッシュ有さん(パドレス)が『考え方はスキル(技術)』と話されていたのを動画サイトで見て、変えられるんだと気付かされました」
-昨季までの2年間、1軍未勝利。その間、何を支えに前を向きましたか。
「昨年は、練習場と自宅を往復しながら『もう無理かな』『なんのため練習しているんだろう』と思う時もあった。成績を挙げられない時も見守ってくれたり、声をかけてくれる方々の存在が大きい。家族や友人、そんな方々の期待が、本当に支えでした」
-現役ドラフトでの移籍がいい転機でしたね。
「ホークスにいても気持ちを保つのが難しかった。(現役ドラフトでの指名は)実質、前チームには必要ないと言われたようなもの。崖っぷちというか、お尻に火が付いた感覚でした。ただ自分をフラットに見てくれるのは怖さと同時に、チャンスだと思った」
-セ・リーグの打者の印象は?
「パ・リーグよりレベルが低いという意見もあるが、そうは思わない。ただ9番打者が投手という点を計算して投げることができる点は違うと思います」
-同じ熊本出身の村上宗隆選手とも対戦しました。
「体も大きくて雰囲気があるし、懐が深いし。威圧される感じがあって怖い。ただ安打は打たれていません(笑)」
-高校でも甲子園のマウンドを2度経験しました。プロで再び立った景色は違いますか?
「高校野球は負けたら終わり。プロはそうではないけど、影響力が大きいし責任は重い。甲子園のスタンドはほぼ全員が阪神ファン。人気球団の重圧を感じる。一方で球場全体が味方という実感もあります」
-まだ自身は1年間通して活躍したシーズンはありません。他球団のマークもこれから厳しくなります。
「夏に向けてしんどくなると思えば疲れも出てくる。これまで同様、毎週気持ち良く投げる準備をすることに集中する。相手に研究された分だけ、それに対応すればいい。ネガティブな要素をポジティブに考えたいですね」
-熊本のファンは『何勝できそうか』と期待する。
「個人的な数字の目標はない。数字を追いかけてしまうと、達成したら失速してしまいそう。毎週楽しく投げるという抽象的な目標を1年間持ち続けて、チームの『アレ』(岡田彰布監督が言う優勝のこと)に貢献する。そうすれば個人的な成績もついてくると思います」
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